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詩人:サエ


結ばさらないって知ってて
繋がったのに
全部解ってて
ひとつになったのに
去り際も知らない愚か者

永遠なんて信じるほど子どもじゃないし
割り切れるほど大人でもなかった
ただ永遠を願ってしまった
あなたと見つめ合っていると
願えば叶いそうな気さえしてしまった

結局は心を気持ちを 愛情を求めて
彼は私の全てを欲しがった
欲しいものは手にしたはずなのに
握ってみると何も掴めていないことに気付く

声で姿で文字で 一時満たされても
ヒビの入ったグラスのように
穴の空いた鞄のように
満ちた想いは
あっという間に零れ落ちていく
恐ろしく燃費の悪い私
いつも想ってるって切り際の言葉も
心は側にいるって照れながら言った台詞も
響くとともに震えるほど嬉しいのに
どこか寂しさを覚えてしまう
気付くと途端に恋しくなってしまう
永遠なんてないって解っているから
やっぱり哀しいほど大人になっていたんだ

今胸が苦しい
割り切れるどころか
誰かを確実に傷つけた事実に
残り僅かな良心がひどく痛い
捌ける器もないのに手を伸ばすからだ

なのに後悔はしていない
支離滅裂な思考に自分でも呆れる
空腹なのに胃もたれしている今のように
私の恋は矛盾だらけだ
一旦決意してもすぐまた迷う
迷ったところで
サヨナラなんて言えるはずないのに

彼も私もずるくて悪い
けどどちらも中途半端だ
とことんずるくもなく
とことん悪者でもない
だから尚更厄介なんだろう

2020/04/17 (Fri)
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