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[179691] 淡雪

詩人:千波 一也


手のひらを

つかのまだけ

離れてみせる、と

誇らしそうに安らいで

黒髪すやすや

あなたの隣



小鳥の言葉は

拾ってきます

かけらに

なり果てる手前の

懐かしい小枝など

遠慮がちに



十一月の

曇り窓には清い川

恥じらいも、強がりも

ひとつになって

したたって

船旅はやわらかです



すぐにも翻る

颯爽とした陰と親しめば

雪は上手に

乾くのでしょう

肩にも髪にもさわらずに




2012/11/26 (Mon)
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