ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > ヘヴンズ・ヒル > 投票

千波 一也の部屋  〜 「ヘヴンズ・ヒル」への投 票 〜

  • 千波 一也さんの「ヘヴンズ・ヒル」に投票します。
  • 不正防止のため投票は「詩人の部屋」の登録者のみに制限させて頂いています。
  • ユーザーIDとパスワードを入力して「投票する」をクリックしてください。

[88186] ヘヴンズ・ヒル

詩人:千波 一也


枯れることなく

花の咲きみだれても

それは

開くことをしない

閉じられたままの

かなしみの

すそ


風が

つねに優しいならば

怯えることも

すさぶこともないけれど

こおれるものを

溶かしうる熱量を

おぼえることもない


風は

通り道を

易しく拓きつづけて

はげしく

或いは

ささやかに

それはそれは自由に

いたみを

残す


月そのものに

おそらく翳りはない

手がかりならば

そう

異国への旅を

よろこべばいい

思い当たる横顔の数だけ

純粋さは疑われるだろう

ほかならぬ

おのれに


ちいさな足もとには

少しの土があればいいのに

のぞみはいつも

縛りつけられたまま

気付かずに堕ちてゆく

此処がそれ

あこがれの対極

2006/10/25 (Wed)
ユーザーID パスワード
一言コメント  


- 詩人の部屋 -