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[91223] 鏡姉妹

詩人:千波 一也


しずくが微笑めば

そのつど国は

虹色に


音階はわかりません

でも

それは

いつか憶えた

果実と似ています




ひかりの器には砂漠を


おだやかな午後の

頬杖が

かなしみに怯えない

かなしみであるように

つばさの先には

うたがいを




ほら、ラフレシア

ツンドラの月を

迎えましょう

そのままで

そのままをすりぬけて


もて余すものは髪に乗せて

足りないものなら

つめの隅々まで言づけて



送りましょう

おおきなふねを

地球儀まで


贈りましょう

ワインのコルクを

雪降るそらへ



時刻にも時刻がつきもの

どうぞ

お忘れなく

確かめ合うための

ちぎりの姉妹の

在ることを


2006/12/13 (Wed)
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