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[93334] 盛夏のジーニアス

詩人:千波 一也



描きかけのキャンバスだから

途方に暮れても

あなたは

素足で



包まれてゆくまでの短さは

あれからずっと

丘のまま


ひたすらに眠りつづけては

そっと不思議を

暮れさせて



涙はいらないか、と

あふれた言葉はしのげない雨


陽光を知りすぎた帽子だけ

ひとりを慣れて

扉に寄り添う




おろかで居たかった

誰の真似でもなく

ただおろかで

居たかった




瞳はいつでも空のなかにあって

温度を生みだすことが

腕のちからで


嘘などはどこにもない夏だった


それを

かばいきれない純真が

燃やしつづけたときの向こう




本音はいつでも変わってしまえるから

ありえないまぼろしには

まだ逢えない



夢のつづきはいつまでも夢

まぎれることなく

瞳をとじれば


まもられて



2007/01/11 (Thu)
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