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[93338] ウィンター・ガーデン

詩人:千波 一也



 灰色を抱きしめて、つぼみ


 破れることを募らせて、

 つばさ



黄昏に

いつも遅れて招待状は

焼けてゆく

夕焼けてゆく


そうして憂いは懐かしさに煙り、



 清らかなけがれが、ゆき


 なにも知らない者だけに、

 そら



満たされない音色をつぶやけば

こころも震えて

ひとつに

消えて



しずく、

こぼれる間際に真冬を聴かせた



 頑なに鎖をむすぶ、はな


 捨て去るたびに降りそそぐ、

 すな



そっと滅びたら

やさしい傾斜のはじまりのとき


誕生は底から、



 不思議を揺れて、かぜ


 実るともなくあこがれて、

 つき



息吹、

氷をわたり氷へむかう


咲き誇ることのうすくれないに



2007/01/11 (Thu)
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