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[119119] 命拾い

詩人:千波 一也


  数えることは

  もうやめましょう

  恨みつらみも憎しみも

  優しさという

  そよ風も



   むかし、

   草原だった日の思い出に

   にわか雨が降ります


   ちいさな箱で

   目覚めることが

   見上げるかたちの

   ひとつ、として

   すっかり

   穏やかです
 


    だれか、

    抱きかかえてくれますか


    それは

    怯える数にも

    勝るものだ、と

    教えてくれますか

    最後の最後まで



  行き止まる壁には

  色がありました

  すれ違ってきた手を

  ほどよく匂わすように



   やがて、

   帰らぬものをさがす日に

   泣き声はただ

   月になります


   どうか、

   続きますように

   せめてもの

   かけらが

   どうか



2008/01/15 (Tue)
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