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[119933] アイス・オン・アイス

詩人:千波 一也



ふたつ、

別々にあるよろこびは

わずかなあいだだけ

並んでみせます



滑らかに

ひとつのループを分け合うことは

しだいに加速を招きます


より一層よろこびたくて

より一層おおきなものを

みせたくて



ふたつ、

別々にあるよろこびは

もともとの場所を知らないのです


そのかなしみが

よろこびをなし

ほどなくそれは繰り返されて

こごえるのです


おそれるべきが

みえなくて



 ゼロはたやすい意味のまま

 ゼロをはなれていきました



ふたつ、

別々にあるよろこびは

なくなるものだと思います

始めからおわりまで

順序立てることを

忘れたままで



 アイス・オン・アイス



もともと

ささいなことでした


消えてしまう寂しさをただ

あきらめきれない

やさしさのなか




2008/01/28 (Mon)
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