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詩人:甘味亭 真朱麻呂
こんなことの繰り返しで
つづいていく毎日は本当に退屈でつまらない
平凡な暮らしという頑丈な檻の中で飼われているみたいに
僕らは生きていく
その檻を破ろうとしても
無駄なことぐらい
わかってはいるけれど
繰り返すのはヤッパリ悪あがき
考えることはみんな同じようだね
腐ったトマトみたいないぶしい表情で町を歩く
暇つぶしをさがして歩く
ドーナツの袋を片手に
電気屋のショーウィンドー越しから野球中継をしばらく観てた
お昼時の町パン屋にできた人だかり
香ばしくていいによいがただよってくる
足並みもいつの間にかかろやかにはずむ
こんなことを繰り返して
笑っていられる休日は本当は幸せなんでしょ
仕事にかり出される電話報せもなく
僕は朝から日が暮れるまで
ずっと町をぶらぶら
帰り際立ち寄った公園
比較的新しいブランコに乗りさっき買ったドーナツの穴から
夕暮れの空をのぞくように見てた
独り何かを思い出せたように微笑んでた
それは"平凡であるが故の幸せ"
自由気ままな僕にぴったりな
これが"平凡であるが故の幸せ"。