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[130944] 灰になるより酸素になる

詩人:甘味亭 真朱麻呂


いつまでも大人になれてしまえない
まだこの幼い僕の身体に大人のエキスを注いで

いつか大人になること公の前で拒否したわけじゃないのに
なぜかその気になれない
なぜか身体だけは大人で
心はまだ子供さ

大人のような子供のような目で生きてる
その目でいつかの僕は何をみてたのかな

今ではわからないけど
でもひとつだけわかることがある
それは僕も大人になりたい

素直な気持ちがある
ただ不安なだけだよ
だってそれもそうさ
今まで子供だったから
今まで許されていたことも許されなくなるから

責任があるから
甘くない厳しさが待ってるから
優しくいられなくなる
年がら年中 僕の顔もこわばってさ

ほんとにやだよね

こんな僕なんて嫌いさ
こんな僕なんてほんとの僕じゃない
鏡に映した顔はあのころの影もない冷たい表情をもつ人

信じても信じなくても僕は僕だ
だからもう子供には戻れない

大人になるって事はきっと何か拾って何かを落としての繰り返しだよ

ひとりつぶやいて
眠りの中へと落ちてく
倒れ込むように
色のない夢に揺られて

鮮やかな朝を待つ

僕の瞳に映る新しい今日が

まだまだ明日 もう明日 今日という日も過去
昨日といういつか見てた未来っていう幻
今やそれはすべて知識浅き日の夢

忘れ難き思い出
それは今日という日への橋渡しのための日々さ
されどその一つ一つがなければならない大切な大切な大人への階段

大人への階段なんだ
踏み外さないように
歩んでいく為の片道

それすなわち意味探しの旅

てくてく 時にゆっくり
スタスタ 時には急ぎ足
ヨッコイ 間々に休憩をはさんで

僕は大人になる為歩く その後ろ姿を夕陽は照らし幻とともに僕は溶けて誰かが吸いこむ酸素になる。

2008/08/24 (Sun)
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