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[139625] 雨天と晴天の境界

詩人:甘味亭 真朱麻呂


その狭間にはなにがあるのか
笑顔と涙の境界が無表情のように
その狭間にはなにもないのか

僕はいつも考えている
その狭間を

世の中の理屈と自分の意見の狭間には大きな壁がある
人と人の狭間にも大きな壁が立ちはだかる
いつも何かと何かの狭間には空気みたいなものだけど見えなくてもおそろしい存在感をもつ壁が立ちはだかる

その狭間で人は長い時間をそれぞれ生きる
時に雨にみまわれ
時に晴れに恵まれ
人はそれに喜んだり泣いたりする
そのくりかえしの中で人は死ぬまで生きる

いつでもこえられない壁越しに誰かと話し 透明な壁越しに世界を見る
まるで犯罪者と面会するみたいな感じの空気の壁で
仕切られたルールと暗黙の鉄則が僕を縛るのも気にせず
壁は冷たく気まぐれに僕の前に立ちはだかる
すべての人間の前に立ちはだかる
寿命という壁から
摂理という壁まで
人間が人工的に壁をつくり
自然が自然的に壁をつくる
そのふたつの壁が僕をはさむ

その壁と壁の狭間でみな生きる

たぶんそれが雨天と晴天の狭間のカラクリ
似たようなもんだ
ただそれを蛇みたいに蛇行して進むだけ
波線みたいにくにゃくにゃして進むだけ

種を明かせば簡単だ
ばかみたいに簡単だ

ほらまた晴れてきた
かと思えば雨が降る
まるで山の天気だな
気まぐれ天気予報さ
人間さえ予測不可能
それが摩訶不思議な
雨天と晴天の境界

人間が唯一わからない領域だ。

2009/02/08 (Sun)
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