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甘味亭 真朱麻呂の部屋  〜 「あこがれ」への投 票 〜

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[139981] あこがれ

詩人:甘味亭 真朱麻呂


あこがれは理想の自分を映す鏡
理想はあこがれを映し出す鏡さ

理想もあこがれもおなじ鏡だから
ふたつ重ねれば合わせ鏡のようになるだけ
ずっと悲しい未来を映すだけ
あこがれに負けてうつむく僕をずっと向こうまで何層にも僕を映すだけ
僕が映るだけ

でもあこがれるときを過ぎてもあこがれは消えないから
あこがれを抱くならかまわないだろ
あこがれていたいな まだ
遅すぎても無意味でもあこがれの中で少し淡くせつない想いを思い出したい
悲しくなるとしても
僕は思い出したい

あこがれという鏡から見えるあのころの自分とこれまでの自分をのぞき見る
そして歩き出すよ
きっかけはその中に
タイミングつかむため
きっかけを見いだす
あこがれという理想を抱いて
眠れぬ夜に僕ははじめてあこがれを抱いた幼い日を思い出す
あまりに懐かしくて涙に濡れてしまう僕はいつの間にか眠ってた
あこがれは少しだけ僕を悲しみから遠ざけ形は違えど今も素晴らしいよとあこがれは僕に歩み寄るように近づいた
やさしい言葉くれたような気がした
天使の声が聞こえた気がした
そんな夜に
目覚めた朝に
僕はなにかを得たんだ
僕はなにかを知ったんだ
大事なはずの気持ちを
大人になって汚くなった気持ちが少しだけあらわれた気がしたから
笑った

あこがれは僕を避けてたんじゃない僕があこがれを避けてたんだ
おそれてたんだ
今 気づいたよ
やっと気づいたよ

あこがれ遠く 今は叶わずとも変わらずあこがれのまま僕をいつまでも離さず駆り立てる 若いあのころへ 夢の渦の中へ巻き込み 手招きするんだ
たそがれあこがれ
あこがれたそがれ
繰り返す日々の中で 僕はいざなわれるんだ
子供に返る瞬間
ネバーランドから妖精が迎えにくるよ
ばかばかしいかい? あのころの僕はそれを信じた。

2009/02/14 (Sat)
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