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[142089] パラダイス

詩人:甘味亭 真朱麻呂


母さんのお腹の中から引っ張り出され産まれて少しして
いろいろ意識できるようになった頃
長い夢から目覚めたようにひとりきり立ちあがれた頃
僕は四足歩行の動物から二足歩行へとなるために立ち上がって歩き出した
ひとりでも生きていけるために ひたすら教え込まれるものを守りあらかじめ引かれたレールの上作りものの太陽にだまされまぶしい世界をめざす

楽園はどこにあるのですか?現在地からは遠いの?
なんのために生まれてきたのかくらいはおしえて
突然に生まれたことに腹を立ててときに喜んで笑う僕らはみんな自分のことわからない
あとは狂ったように仕方ないさとため息まじりの日々をやり過ごすだけ
都合のいい言い訳ばかり巧みになってく
乗り合わせが悪い
生まれた時代が悪い
いろんなもののせいにしては言い腐る

君が求めるような楽園はこの世にはないさ
この世にあるの果てしない灼熱地獄の砂漠のどこかにあるオアシスのような選ばれた人だけ行ける名前だけの楽園だけ
そこでは常識だけがすべての価値を決める
とても望ましい世界
ほんとかい?

あこがれだけがきらめいて輝く未来という体のいいパラダイス

今僕らは蜃気楼(まぼろし)を見ている
蜃気楼にだまされてその気になっている
あそこへ行けば夢は叶う冷たい水を飲めると最後の数メートルを全力で走る あと数センチで…

手を伸ばしてふれる瞬間かき消えてから気づく
すべて蜃気楼
はじめて絶望した
砂漠の真ん中
すでに脱出不可能
僕は今 樹海の奥
コンパスはばかになる
今まで頼ってきた自分の信念さえ壊れる

あこがれだけがきらめいて輝く未来という体のいいパラダイス

がっちり鍵の掛けられた部屋 僕はその部屋の鍵を握りしめている
内側からは開けられない
開けるすべを知らない
完全なる自閉 密室
これが真の楽園。

2009/04/08 (Wed)
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