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[46272] お伽話−天佑−

詩人:あいく

昔と言うほどでもない
かと言って今ほど
今でもない昔の事

とある街の路傍に
何か辛かろう事
あったかの様に
臥しうずくまる
青年があった
誰とてその青年を
かまう事もなく
人々は往来していた
その中
ただ一人の老婆が
青年に声掛けた

「童、往来にあって
 かよにうずくまっておっては
 通行の邪魔になろう
 早ようどきゃれ」

そう言う老婆を
青年は苦々しく見上げた

「御前さんが辛かろうと
 儂には御前さんを助ける
 義理もなければ義務もない
 そもそもそんな術も持ち合わせん」

そして老婆は続ける

「しかしな
 辛いなら辛いと
 声にして言えばよい
 辛いと言うのを
 聞いてやる事くらいは
 してやらんでもない」

青年はそれに答えた

「なるほど
 それを言えば多少は
 楽になるかもしれません
 でも私はそれを言いません
 今はその時では無いのでしょう」

それだけ言うと青年は
立ち上がった
そうして立ち上がって見ると
そこにいるのは老婆では無く
一匹の年老いた猫だった
猫は一声鳴くと去っていった
青年は猫を見送り思った

「なるほど
 立ち上がるきっかけ
 それだけを与えたか
 まさにそれこそ
 我が天祐であったのだろう」

と。。。 

2005/08/27 (Sat)
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