詩人：明石家３万円

今年の
体調の悪さは
近年
稀に見る程ヒドし
でも
病院なんかに
行かないぞ
でも
ごめん
もう寿命
来たかもしんない‥
マユちゃん
たすけて
くるしくて
息ができない
悪魔が
気管に取り付いた
真由ちゃん
あぁマユちゃん
今度
まぶたを閉じたら
きっと
もう開けない
決して
置いていくんじゃない僕が
置いてかれるんだ
真由ちゃんと
マユちゃんと
まゆちゃんと
その他
大勢のエキストラに
あとをたくして
とうとう
同じ
エスカレーターに
乗れなかったよ
僕は
この階止まりの
人間さ
さよなら真由ちゃん

泣かせたくないから
マユちゃんの
記憶に
存在しなくていい
かなしませるだけの
僕なんか

ずっと
じっと見ていた
真由ちゃん
あぁマユちゃん

お荷物
その呪縛でしか
いられない僕

そして
色めきたつ
完全な
からだをもって
はしゃいで
あぁマユちゃん
僕
げんきになったよ
あおぞら

「まゆちゃん‥」

くもの上から