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[66405] わくらば断章 第六段

詩人:アル


 常に得体知れぬ物に背中焼かれ、一つ一つに打ち込めぬは何故やらん。己れの些事にかまけて人の大事それと知りつつ見過ごし、後々繰り言にて気を病むなり。野茨の棘あるは花美しきを以て許さるる疵なり。美しくもあらず、棘許りならば誰ぞ見留めて歩み止めんや。花も棘も無きはさらなり。毒にも薬にもならねば何しに生まれ出でにけるらん。
 また来る春にと等閑に構へ居れば、朝を待たず夜露に腐され、或は思はぬ天変地異起こるやも知れず、人の世は定め無きこそ定めなれとぞ。

 欲得に極まりなく、己れの真なると覚しき姿許り追ひても本意にあらで疲弊するのみなれば、己れ転ばざるを気に懸くるよりは人を先に支えよとなん。然る後に己れ如何にと見れば立ちて居るなり。人支えるに必死なれば自ら転ぶ暇さへ無かりしが故なり。

寒月や
我歩めれば
動く陰
世の荒浪を
紙魚渡り往く



2006/02/12 (Sun)
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