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スヌスムムリクの部屋  〜 「「言葉」」への投 票 〜

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[156024] 「言葉」

詩人:スヌスムムリク

「ごめんなさい」



と言うのが、

幼い頃からのあたしの口癖だった。






どうしていいか、わからなかった。


苦しそうな母を見ているのが辛かった。

ヒステリーを見るのが辛かった。



どうにかしたくて、でもどうにもできなくて、


ただ、ただ、

私は母に笑ってほしくて、

優しく話しかけてもらいたくて、



ひたすら謝りつづけた。





それしか、すべを知らなかった。








「謝りなさい」

と言われ続けた記憶がある。


私は言われた通り、ひたすら謝りつづけた。


母には許してもらいるわけではなかったけど、

謝り続けた。


「ごめんなさい」


きっとこの言葉は、いつからか、あたしの武器になっていたんだと思う。



たぶん、私が謝るのはそこから。



「ごめんなさい」


私は、どこでこの言葉を使っていいか知らなかったけど、


「ごめんなさい」


この言葉を言うことで、私の気持ちが、


許される、

和らぐ気がしたから、


私はこの言葉を言い続けた。








あれから、十数年がたったけど、

母が

「心の病気」

だとわかったのは、つい最近のこと。




通院し始めた母に、
こないだポツリと一言、

「もう、謝らないで。」

と言われた。

ショックだっ

2010/05/25 (Tue)
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