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[37358] 白い布

詩人:



君は自動ドアが開く時間さえ待ちきれず

身体を捻りながら建物へと駆け込んだ

建物内の者に名を告げると

その者は少し君を気遣うように

左の方を指差した

君は建物内に足音を響かせながらまた走った

そして一つの扉の前に立ち止まると

大きくひとつ息吸って涙を拭った


僕は君にその扉を開けて欲しくなかった


でも僕の思いとはうらはらに

君はそっと扉を開けた

部屋の中には人が横になっていた

その人の顔には白い布が掛けられていた

君はそっとその白い布を自分の手に取った

そしてその人を揺り起こすように大声で泣き出した

僕は君の右側に降り立ったが

大丈夫だよとは言えず

泣きじゃくる君の前に横たわった



僕の亡骸を少し憎んだ。



2005/06/18 (Sat)
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