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[153767] 雨が上がれば

詩人:どるとる


雨上がりの小さな公園で何を考えているのかずっと座り込んだまま動かないぼくはそのままの低姿勢でざっと二時間あまり費やした
箱を開ければありきたりな悩みだけれど
何よりも人間らしい悩みだろう
石つぶてがどこからか飛んできたようにぼくは思い出したような素振りで
その場をあとにした

どこへ向かうのか
それさえわからない
ただ本能の赴くままにたまには動いてみる

またポツリポツリ
雨が降るまえにタイミング見合わせたように突然の旅立ちは始まる

抱きしめれば抱きしめるほどに
それはじわじわとぼくの中で広がってゆく
まるで絵の具が水の中で溶けてゆくように
ほら 少し塩気のある涙って水が ぼくの頬を流れた

ポジティブな歌を歌ってみたいのに
なぜかネガティブな歌しか 思いつかない
そうそんなときは
ポジティブ
シンキング
オールデイズ

いつもあやふやな微笑みに身をあずけて
突然の突風のように
予想を大きくはずれたせわしない気の変わりやすさで
ぼくは心に降り続いてる雨を振り払った

空には太陽
ぼくが悲しんでたんじゃ せっかくの晴れやかな天気がなんだか無駄になってしまいそうだから
ほら迷わずに
あの 言葉を歌うように

さあ深呼吸して
ポジティブ
シンキング
オールデイズ

水たまりにうつった青空を 乱す 誰かのスニーカー
泥が跳ねるのも気にしないで 雨上がりの瞬間を見逃さないで公園に笑顔と楽しそうな子供たちの声がもどる

まるでパレードのように悲しかった世界が泣き止んだのを合図にざわめく街

雨が上がれば
街はいつもの
色を取り戻す
虹が 架かった空
それすら 気づかないくらい ほら 僕らはまた遊び出す
水たまり わざと飛び越えずに 靴を濡らす
無邪気な 休日の午後

しぼんでた気持ちも
嘘みたいに 咲き誇るよ。

2010/02/27 (Sat)
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