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[155865] 彩り百景

詩人:どるとる


長いような短いような不思議な夢を見てたのさ
ぼんやりとした浅い記憶だけが胸の中残ったまま
僕はゆっくりと上半身から起き上がって
カーテンを開き窓を開ける

風に抱かれて
空に雲が流れて
鳥はその翼を広げて

何気ない1日という景色の中に
僕は見てるよ
どんな名画よりも素晴らしい芸術的な場面を

扱いをあやまって触れただけで壊れてしまうほどのやわい命を目の前にして僕は
その人を最後まで愛す自信を持てるかな
揺れ動く時の中で
何度でも季節は移り変わって
そのたびに僕も歳をとって

ほんのささやかな
日常の風景には
何よりかけがえのない
輝きがあること
誰より知っている僕だから今日も少しくらい悲しくても笑い飛ばせる

日常の中に隠れた
百もの 美しい景色
無限にもある色彩で彩られた僕の毎日

おれんじ色の空に
ふと目を向ければ
うまい具合にほら
沈んでゆく頃合い

さよならと手を振り
大人気なく泣いてみても何ひとつ得るものなんてないのに
その無意味さの中に輝く光こそ最高の贈り物と信じてる
そんな僕が今日もここにいるよ

夜に包まれる街が
悲鳴もあげずに
身をゆだねるように
しかるべき運命(さだめ)に今日1日を明け渡し新しい夜明けを受け入れる
そんな変わらない毎日が僕の宝物
だれにもあげられない 価値ある宝物。

2010/05/09 (Sun)
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