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[158903] 父に宛てて

詩人:どるとる


大きなパパの手は
いつの間にか自分より小さくなったよ
昔はあんなに大きかった手も
僕が大人になったら小さく見える
腰も曲がって
白髪混じりになった
昔はあんなに口うるさかったのにね
今はもうめっきり口数も少なくなっておだやかになりました

戻らない昔
よく二人で歩いた
あの土手沿いの道を
またあなたと歩くよ
だけれどあの頃と違うのは今度は僕があなたの手を引いているってことなのさ

何かあるたびありがとうとしきりに言うあなたに
感謝したいのはこっちの方だよと昔を思い出して泣いた夕暮れ
あなたはもう今はいない
仏壇の前
目を閉じ手を合わせている僕がいるから

忘れない あなたの手のぬくもりだけは
忘れない あなたがくれた沢山の思い出
忘れない あなたと熱く語り合った夜
忘れない あなたがふとしたとき流したあの涙 浮かべた笑顔

人は誰も 別れを避けては歩けぬ生き物だから 当然 どんなに愛し合っている人ともいつかは別れるさだめなんだ

だけれどあなたのことはこの胸の中でずっと残っているよ
嫌いになった日もあるけどそれもまたいい思い出だよね
だから忘れない
忘れるわけないよ
あなたが僕の心に遺した大きな財産ともいうべき深い愛情と厳しい教えを

とにかくいつまでも元気でいなさい
とにかくまじめにいればあとはいいから
おまえが思うように生きてみなさい
それが最後のあなたの言葉
胸に抱いて生きてゆくよ

今日も空は青く広いな
あなたがいたころと何ひとつ変わらない世界だ

父に宛てて ちょっと
感慨深げに 考えてた
昔は当たり前だったはずのものが少しずつ消えてく中で
変わらないもの探すのは難しいけど

あなたがくれた愛だけが影のように僕の心に揺れてる

今 僕は言う
ありがとう
そして
さようなら

忘れな草の香りが
届くところまで
思い出は吹き渡る
風の様に。

2010/07/24 (Sat)
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