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[158907] 光と影

詩人:どるとる


廃屋の夢
空っぽの胸
行き場もなく
さまよう
光と影を身にまとい
蝶は羽ばたく
果てしない大空へ

偽りの王国
誰もいない座席
教えのない
ルールもない
自由すぎる世界
やがて滅びる世界

光はまたたき
闇は話しかける
光と影の中を
縫うように
歩いてゆく
土曜日の私

筆先にインクつけて
何を描く?
明日を描けば
ほらねそこには
互いの笑顔が浮かぶ

帰る場所はすぐそこ
迷うことはないよ
ゴールなんか
ないのだから
生まれ出た瞬間から
その人は名前のない
地図にもない場所を目指す

宛ても何もない
旅は続くよ続く

光と影の降り注ぐ
廃屋のような
子供部屋のような
いろんなもので散らかった目もチカチカするようなまぶしい部屋の中で
今日も悲しみを数え喜びを数え 少なかったり多かったりすることに本気で向き合い過ごす

それは廃屋の夢
空っぽの胸
誰かが描いた油絵
その中に閉じこめられた時間もない世界
少女は輪を転がし
少年は妖精に恋する
そんなあれこれを抱えたまま
今日もいやがられるほど不器用に
なるべく争い避けて生き
ひたすら路地裏を進む。

2010/07/24 (Sat)
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