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[160934] 面影

詩人:どるとる


僕らはお互いに
わがままだったね
話し合うことさえせずに背中合わせで
見つめ合うこともしなかった

あんなにも
愛しあっていたのに
今じゃアルバムの中のあたたかい思い出が信じられなくなっているよ

同じ時を同じ歩幅で
同じ速さで 歩いてきたのに
愛し合ったぶんだけ
傷つけあうことになるなんて

雨上がりの土曜日
雨がやんだのに
この僕にほほえんでくれるはずの人は跡形もなく消えているのね

思い出が涙でにじんでゆく 最後まで素直になれなくて 最後までわがまま言い合って
永遠に背中合わせのままのふたりは少しずつ互いの記憶からもきれいに忘れ去られてゆく

あとに残るのは
かすかな涙のあとと今はもう悲しいだけのたくさんのアルバム

君の笑顔が
僕の笑顔が
まぶしすぎて
涙せずにはいられないよ

胸の中に残ってる
君の笑顔が
やまない雨のように
終わらない映画のように僕を出口のない暗闇に閉じこめるんだ

やり直そう…
そんな言葉ひとつで
どうにでもなれたのに愚かな僕は何意地張っていたんだろう

ばかだよな。

2010/10/02 (Sat)
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