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[148695] はじまりとおわりの日

詩人:どるとる


新しく生まれる命
これから消えてく命
悲しみと喜びが交差する1日の中で人はどこかで死にどこかでは生まれて
そんな繰り返しが命を運んだり命を片付けたりする毎日

今日もどこかで
人が消えて
どこかで
あらわれて
新鮮な名前を
汚れのない
その名前を
呼ぶ人の涙と
人の死を悼む人の涙を混ぜ合わせるわけにはいかない

だから
サヨナラはサヨナラ
そして
はじめましてははじめまして

どこかで今日誰かが死んでしまっても今日生まれた命に笑いかけるかはその命に関わった人によりそれぞれで
生まれた命に笑うなら本気で笑い
消えてく命に泣くならば本気で泣いて
立ち会った悲しみや喜びに魂をこめて向き合うがいい
じゃないと生まれた誰かに 消えてく誰かに申し訳はないから

命はそうして
誰かの流した涙や浮かべた笑顔に運ばれて違う場所へ流れていくのさ、それが悲しみであれ喜びであれ大切なのはどれだけその出来事に本気で向き合えるかだ
もしも本気で向き合えたらそれは正しい形になるよ

君は笑え
君は泣け
それでいい
おなじ世界の出来事なのさ
悲しみと喜びがどうしても重なってしまう命のはじまりと終わりの日に見つけてしまった涙の色を問わばそれはその人のみがわかることさ

だからある人はどこかで命に笑いまたどこかでは命に泣いてる
そんなおかしくも正しい流れが世界をぬらすのさ

夕立みたいにどちらにも触れちゃいない僕には予測なんてできないさ
だからこそ悲しいのかな
わからないまま
消えた誰かの
知られないまま
生まれた誰かの
命の影の小さな
揺れにも気づけないこの平和すぎる僕にはなんの悲しみも喜びもない

ただ今日もいつものように平穏に過ぎただけ
僕には
はじまりも終わりもなくてただ1日がまたひとつ消えただけでしたというだけ。

2009/10/17 (Sat)
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