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[172798] 冬の一頁

詩人:どるとる


電車の中 携帯の液晶画面を 見つめたまま動かない若者の猫背
ボタン押す指だけが まるで生き物みたいに活発に 動くだけ

携帯の画面や パソコンのネットの中の会話の中に
愛や優しさはありますか?

何か忘れてないかい?面と向かって話すこと忘れたら僕らは活字やメールだけの繋がりになってしまうよ?それって悲しくないかい?

くだらない日常の会話の中から生まれる
何かがあるんだ

その丸まった猫背をピンと伸ばして
目と目で見つめ合い
話をしてみろよ

あいさつもろくにできやしないけど
きっと心淋しい僕たちは誰かと話をしたがってる

会話をしようよ
なんでもいいから

夜明け前の街並みに
さえた空気が流れる
言い知れない切なさに包まれてゆく 言葉など死に果てて
カラスも不安げに飛ぶけれど
今にも消えちまいそうな小さな街灯の明かりを見つめながら
朝を待つ冬の一頁。

2011/12/16 (Fri)
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