詩人:どるとる
幻ぞ 目には見えねど音、聞こえたり人の痛みや涙 踏みつけ 欲に急ぐ 哀れな者共影絵のように 鮮明でいて 実態のないその罪深さに 溺れ 果てては妖のごとく 笑いまする障子に映りし 影の向こう 正体見たりと襖開け放てどそこにはただ夜の闇のみ 果てもなく広がらん否、逆さまぞ 目に見えるものほど 奇怪なり。