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[179871] 一本の木

詩人:どるとる


一本の木が例えば
今日枯れても
誰も見向きもしない

ただその木を知る人達だけがしばらくの間だけ悲しむだけ

その木を植えた人達が死ぬまで悲しむだけ

一輪の花が例えば
花屋で売れても

売れ残った花たちはもしかしたら永遠に売れないかも

そんな悲しい未来でもないとはいえないもの悲しい日々の枝先に 揺れる木の葉一枚
僕は似たような心を見る

一本の木の周りで
何人もの 同じ顔
一輪の花の近くで
いくつもの違う物語

歩き出すその道の彼方に 例えば海が広がるなら 泳いでゆこう 溺れてゆこう
解釈は百万通りさ

飛び出したその道の彼方に 例えば空があるのなら 羽ばたいてゆこう 昇ってゆこう
イメージの中なら永遠さえあり得るさ

一本の木からでも想像はこんなにも膨らむさ

僕は歌うよ
他人の迷惑など無視して

土に還る運命さえ
わかりきった
終わりなら

一本の木でも一輪の花でもない 僕という特別になって
輝いていたい。

2012/12/11 (Tue)
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