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[180064] 夜の中から

詩人:どるとる


なんでもないのに何かがある夜
続きの続きのそのまた続き

またいできたよ夜も朝も飽きるほどいくつも
散々走り回ってたどり着いたこの夜も
いつか思い出す
遠く遠く思い出す

夜の中から やってきて 夜の中へと消えていく夢幻のような

さよなら さよなら あめ玉溶けて 涙の最後の一粒はじけて落ちた

さよなら さよなら
綿菓子溶けて 甘い余韻だけが舌に残る

続くよ続く
悲しくてもね
辛かろうとね

夜の中から 生まれる朝と 夜の中へと消えていく夢幻と戯れて

僕は光を見つけても
うまくは笑えないし
心からは喜べない

光があれば影があるようにぬぐえぬ何かがあるからさ

だから僕はふと時折立ち止まり 空を見上げて思うんだ

ああ生きてることさえ忘れてた 無意識に呼吸する 意識せずとも生きられる

夜の中から しぶきをあげて そっと浮かぶ泡沫の夢

僕は知っていたように頷くから

答えはないとわかってる

だから夜の中から やってきて 夜の中へと消えていく夢幻さ

見よう見まねで笑っても ちっとも楽しくも何ともない

だから 悲しいときにはね 傘さえ差さず濡れてみる

その冷たさや痛さが時に 生きてることを教えてくれる。

2012/12/24 (Mon)
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