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[184427] ハンデの痕

詩人:どるとる


たとえば文字を書いていく過程で間違った文字を消しゴムで消している
その行為はきっと間違った自分を 無かったことにしたいという自分の弱さのあらわれ

間違った自分を 消さないように それを「恥」に思えた
自分をいつでも 思い出せるように
間違ったら 消さずに残しておこう

たとえばどんな時でも どんな場所でも
間違ったその事実は消せないように
あなたの心に刻まれる

もがいて あがいて試行錯誤した 今日の自分がいた事の証明はきっと間違ったその事実が教えてくれるから 無意味なんかじゃないんだ

ほら 正しい答えに導いてくれるだろう
少しずつでも正解に近づいてゆくだろう

たとえば生まれながらに障害を持った人は 普通の人と同じように笑ったり泣いたりしちゃいけないの? 間違ったことを間違ったままにしているのかい?

多分彼らは 彼らなりに自分なりの正解を見つけ出すために
生きているんだろう
僕だって同じじゃないか 何ひとつ違わない

たとえば運命なんてものがあるとしたら
それはとても残酷なものなんだと 僕らが決めつけたら この世界はなんだろう

笑って 泣いた 今日の日のすべては きっと間違ったままの
自分に新しい世界を見せてくれるに違いない 正しさの形なんてないのさと 言っているよ

刻まれたハンデの痕は 角度を変えれば誇りにも見える

もがいて あがいて試行錯誤した 今日の自分がいた事の証明はきっと間違ったその事実が教えてくれるから 無意味なんかじゃないんだ

ほら 正しい答えに導いてくれるだろう
少しずつでも正解に近づいてゆくだろう。

2014/03/23 (Sun)
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