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[184981] 僕らの今を計りに乗せて

詩人:どるとる


ねえ 同じ世界で 同じ空の下で
殺戮と平和は同居しているんだ

ねえ 同じ世界で 同じ土の上で
人を殺める人と人を慈しむ人がいる

同じようですれ違う何かとべつの何か
そこには道理などなくただあるべきものがあるべくして
そこにあるというだけ

たったひとつの世界の中で
いろんな今を生きる人がいる
今日も頁は用意周到にめくられて
似て非なる 世界が眼前に横たわる

どんな悲しみも どんな歓びも
「ただそれだけのこと」が
とてつもなく 悲しくて嬉しくて
当たり前なんて いう概念さえも
どうだっていいくらいに僕らは
いつも どんなときも 今が一番幸せだと思って生きていたいんだ

ねえ 同じ人なのになぜこうも違うかな
僕とあなたじゃ 根本的にそぐわない

ねえ 喩えば 僕の今とあなたの今を
計りに乗せたらどちらに傾くだろう

重厚で濃密な今を生きているのは
どちらだろう なんてね いつも誰かと
比べっこしたがるのは 生きている今に自信が持てないから

僕らは 僕らの今を計りに乗せて
互いに無駄な争いを続けている
平穏の中にも些細ないざこざはあって
けして完全な平穏はどこにも無い

どんな悲しみも どんな歓びも
「ただそれだけのこと」が
とてつもなく 悲しくて嬉しくて
当たり前なんて いう概念さえも
どうだっていいくらいに僕らは
いつも どんなときも 今が一番幸せだと思って生きていたいんだ

どんな 憎しみも どんな愛しさも
ただ「それまで」と思ってしまえば
それ以上伸びしろはないんだから
いつだってまだまだだって思って
生きているかぎり僕らは どこまでだって駆け上がることが出来る。

2014/05/14 (Wed)
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