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[186044] はな

詩人:どるとる


生きているという
確かな 呼吸が
この世界の中から
きこえてくる
なんだか わからない偶然に導かれて
願ってもない 命が
望まれて生まれた
皮肉だなと笑うのは僕の本音だ
でもおめでとう
生まれてきてくれて
今日という日は あなたにとって特別な日です

花の末路を知っているから 僕らは
人の生き様を見て指さすことは
めったにしないのに
時に何かを大きく間違って 僕らは
同じ定めの 花の小さな失敗を
あざ笑っているんだ
それを美しいと言うのなら
この世界に 美しいものなんて何ひとつ無いと思う

咲き続けるという
難解な 呼吸は
時には乱れてしまう
気づかれるかな
名前のない夜や朝に 咲いている
同じように 名前のない 僕らはただの花だ
散らかしたすべてを何度も片づけるような
繰り返しが人生なら
僕らは あまりに滑稽じゃないか

花のすべてが美しいとはかぎらない
醜さも併せ持っているから美しい
そう思うんだなあ
君という花も 僕という花も みんな
それぞれに今に咲いているなら
何も違いなんて無い
同じという言葉は あまり好きじゃない
けれどそれが一番妥当な言葉だよ
僕らは 総じて 単なる人だから

ああ 目を閉じて
耳をすまして 見つけた答えだけが 闇に光を差すことが出来る

花の末路を知っているから 僕らは
人の生き様を見て指さすことは
めったにしないのに
時に何かを大きく間違って 僕らは
同じ定めの 花の小さな失敗を
あざ笑っているんだ
それを美しいと言うのなら
この世界に 美しいものなんて何ひとつ無いと思う

すべてが醜いなら僕も醜い
すべてが美しいなら僕も美しい
誰ひとり その概念からは外れない
総じて 単なる 花だから。

2014/08/17 (Sun)
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