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[151044] 今日のために明日のために

詩人:どるとる


凍えそうな冬の午後に
なぜかふいに
よみがえる記憶
ずっと前見た気がする満開の桜
記憶の中を鮮やかな桃色をした花びらが今も舞っている

いつものように過ごした1日もなんかそれだけであたたかく包まれるような気持ちになるね

かじかんだ手に
息を吹きかけて
重いリュック背負い
とぼとぼ帰る僕
冬なのに 冬なのに
なぜか心なしか
春が来たような
束の間の安らぎ

思い出の中をたゆたう君の笑顔と忘れたふりしてる悲しいさよなら

はじまりの季節なのに
出会いと別れ いっぺんに味わってしまった

記憶の中に咲くあの桜は今も残酷なくらい満開なのに
ほら 今は美しいものを見てもただふつうの景色と見分けもつかなくて
心が美しいものを見つめようとしないのさ
それほど君は美しかった
そして君との別れは悲しかった 悲しかったんだよ

それでも 今は今でなにげに幸せだったりして
そんな矛盾した気持ちで生きる僕は自分でも不思議だ…ただ不思議だ

凍えそうな冬の午後に
なぜかふいに
よみがえる記憶
ずっと前見た気がする満開の桜
記憶の中を鮮やかな桃色をした花びらが今も舞っている

ふわり 風にさらわれた枯れ葉 一枚
まるで僕みたいだ
今さら 押し込めていた
切なさがじわりと僕を冷やしてゆく

悲しみの雪にうもれ心まで真っ白になった僕を照らす太陽
やがてその悲しみも溶けてなくなる
それもまた悲しいね

今もねたまに思い出すんだ 君の笑顔 君のさりげない癖や仕草
忘れられないことがまた切ないけれど
僕は今を生きるよ
春になればまたお待ちかねの新しいつぼみが花開くように
僕も心新たに生きよう
どこかで今も笑ってる
君と同じように
さよならを始まりに変えてゆくよ
生まれ変わる
桜のように

僕は目覚めてゆく
少しずつ 夜は明けてく
新しい旅が始まる
今日のために明日のために。

2009/12/10 (Thu)
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