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[146789] 野に放たれたウサギの末路

詩人:どるとる


世の中は辛く冷たいヤツらも住まういわば悲しみと隣合わせのため息がまるで霧のように包む場所だ
嘘はいわない
事実だけを伝える

だから
何かを糧というか
杖にしていかないといつ何時倒れても不思議ではない
そんな危険な場所だ

マニュアルなんか役にはたたず安全の保証なんかもちろんあるはずもない
世の中はそれだけ危険の温床だから
つまらない励ましは逆にありがた迷惑

感謝が生むのはもはや憎しみや苛立ちだ
なんの役にも立たないありがとうや愛してるもあるくらいだから外せない事実です

しかしながら
その冷たさの中でも僕らなんとか生きて生まれてから何兆何億万回となく息をしてきた
その勇気やその度胸は見上げたものだからぜひたまにはほめていただきたい
大統領にでもお役人さん総出で
なんて僕は自分の毎日をえらく評価している
それほど辛い場所なんだ

わかってほしい
気づいてほしい
生ぬるく重く深い
ため息に 表情に

例えば大好きな大好きな君よ
わけもわからない鉢の植物や熱帯魚なんかにうつつをぬかしてないで僕を見て
僕を見てほしい

そんな僕らが安全を保証していられるかぎり生きられる生き物より危険地帯に放し飼いの僕を抱きしめたりしてほしい

ヘルプ、助けての声はむなしくわびしいままに響く
自分の心の中だけで

それでも僕は見えない杖や見えない糧があたかもあるように自分に暗示をかけなんとかよちよち歩いてる
でもギリギリです
それでも死にそうです

野に放たれたウサギさながらに僕は毎朝毎晩ふるえてる
ガタガタ歯を鳴らすような寒い日はその時の温度以上の寒さで
さみしいひとりの夜はその時のさみしさ以上のさみしさに僕は襲われてる
いつもただあなたひとりがいれば解決するようなことなのにあなたは僕なんかより小動物をかまうのに忙しいようで。

2009/08/26 (Wed)
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