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[189801] 君の街まで

詩人:どるとる


季節は色を変え 散らした花を咲かした

押し花にした思い出がまぶたの裏によみがえる

はじけて落ちた雨のひとしずく
合図のように 僕は前に踏み出した

ここからが旅立ちのとき

君の街まで募る思いも連れて

はやる気持ちのままもう夜明けが待てない

窓の外の景色は 代る代る 服を着替えて

凍えるような冬の 白く塗りつぶした空

吐き出すため息が 風にさらわれて消えた

日記はいつの間にか途中で書くのをやめた

雨のち晴れ 今日も仕事 じゃあまりにつまらない

傘の上 落ちた 雨のひとしずく
泣けない誰かの代わりのように

生まれ変わるよ昨日よりほんの少し

君の街まで 悲しい思い出も連れていこう

くだらない旅の話も土産のように引っ提げて

新しい歌 新しい音 雨上がりの七色の虹

まだ見たこともない誰も知らない景色

想像してたら イメージだけで心が膨(ふく)れた

JRの 電車に乗ってなんとなく適当に切符を買った

とりあえず どこかに宛もなく 行きたくて
僕は 僕の知らない僕を探した

見つかるかな 出会えるかなあ

君の街まで募る思いも連れて

はやる気持ちのままもう夜明けが待てない

窓の外の景色は 代る代る 服を着替えて

凍えるような冬の 白く塗りつぶした空

吐き出すため息が 風にさらわれて消えた

2月の終わりにそっと降った雪のせいで

かじかんだ心が この手を握る誰かのぬくもりを求めてる。

2015/11/09 (Mon)
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