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[190153] 365日

詩人:どるとる


今にも雪が降りだしそうな 空を見上げて

僕はいろんなイメージを心に落書きしていた
浮かんではすぐに沈んでいく気泡のような思い

忙しなく流れる街並みを 抜け出して

時間からはずれた場所で出会った

ささやかな休日 ため息は白く煙り

冬の色にすっかり染まっていた

いつの間にか広がる夜の向こう

作り物の光で輝いた街も案外美しい

365日の最後の月を彩る真っ白な雪が

濁った僕の心を 白紙にするように

開かれたページにはシミひとつなかった

なんとなく買ったスニーカーで歩いたら

少しだけ何かが違って見えたような気がした
訳もなく急かす 時間だけが 時計を置き去りにしている

一度 着たらもう二度と着ない服みたいに

同じ気持ちにはなれないと知りながらも

何度でも巡る季節にいつかと同じ思いを

重ねてみるけれどやっぱりどこか違うよ

微妙に色合いが異なる絵の具のように

違う形で 僕の心を染める冬の色

いつか出会ったような気持ちの筈なのに

目にするたびにはじめての感覚が胸を貫く

万華鏡のよう 覗きこむたび新しい景色

だけどこの切なさだけはいつも同じ色

流れ行く 人混みに酔いながら たどり着く

夕暮れさえも なぜかどこか寂しげで

言葉にならない気持ちにさせるよ

名前のない気持ち手のひらにのせて

ぎゅっと 握ると手の中で たやすくとけた

僕は忘れない暫く残った冷たさを その時の思いを

いつの間にか広がる夜の向こう

作り物の光で輝いた街も案外美しい

365日の最後の月を彩る真っ白な雪が

濁った僕の心を 白紙にするように

開かれたページにはシミひとつなかった

そしてまた 僕は 道ともいうべき新しいページに

小さな一歩をゆっくりと刻んでいく

その一歩からまた始まる 行きつ戻りつの振り出しからのストーリー。

2015/12/10 (Thu)
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