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[190805] メトロ

詩人:どるとる


色褪せたそばから 色づいてゆく思い

笑ったそばから 泣いて たまに焦って

目を覚ましたら 途端に世界が変わってる

そんな イメージを抱きながら 走る

窓の外の 通り過ぎていく風景を

少しだけ 気にしながら時々目で追いかけて

まばたきの瞬間にこっそりと 思い出す大好きな人の顔

やがて低俗な思考に邪魔されて 今もただの思い出になるよ

降っては止む 雨に行く手を阻まれて

明けては暮れる 夜明けまであと少し

地下鉄の闇に消える電車のライト

残像が 焼きついて離れない

心と体が合わない やけに寸足らず

終電車の揺れに委せて 夢を見る

長いため息 昨日見た夢の続き 本のあらすじ

息つく暇もないくらい 忙しいはずなのにちゃんと悲しく嬉しいよ

取り立てて やることのない 日曜日
ベランダに出て 煙草を吸うくらいしかない

そういえば今日1日で 喋ったのは おはようの一言もない

おやすみを言う予定もないし 言う人もいない
だからって なんだというのだろう

窓の外の 通り過ぎていく風景を

少しだけ 気にしながら時々目で追いかけて

まばたきの瞬間にこっそりと 思い出す大好きな人の顔

やがて低俗な思考に邪魔されて 今もただの思い出になるよ。

2016/01/30 (Sat)
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