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[191073] 掌に咲く

詩人:どるとる


手と手を重ねるだけで どうして
こんなに伝わってしまうのだろう

離れては ほどけていく手は
ぬくもりさえも 一緒に遠ざかる

残されたものがあるとしたら
冷えた手に かすか灯る 見えない某か

通り過ぎたことにも気づかず
開いたまぶたに 矢継ぎ早に咲いた花
摘んで 愛でて 思い出に なりました

痛みを 残した季節は どうして
絵になるほどに 美しいのでしょうか

たくさんの 夢を描いた画用紙に
めぼしい 未来は 見つからなかった

あなたがくれた声が道しるべなら
少し頼りなくてもいい 手に汗にぎる

窓に 映るのは 悲しみを 覚えず
掌で隠して 涙の上に花を咲かす
少しはきれいに 見えるでしょう

冬の 足音はもう聞こえない
春の真ん中に僕はいる 夏を 待たせてる

通り過ぎたことにも気づかず
開いたまぶたに 矢継ぎ早に咲いた花
摘んで 愛でて 思い出に なりました。

2016/03/06 (Sun)
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