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[191683] 大人になれない僕達は

詩人:どるとる


空き地の隅っこに 落ちている思い出が
タンポポの綿毛が風に舞うように

宛もない旅に出てゆく 背中を見た
夕暮れの 街に豆腐売りのラッパが鳴る

懐かしい 写真の風景を訪ねて歩く
知らない街の知らない空に 抱かれて

大人になれない僕達はいつまでも
探してる なくした思い出の場所を

「なくしてしまったものは もう帰らないのだろうか」

色褪せてしまった ズボンの青が
継ぎ接ぎだらけでカッコ悪いや

本の中に しまわれた物語が続くのは
読む人がいるからだとあなたは笑う

いつか見た夕暮れの赤にまた
出会える日は来るだろうか

あの日の空と今見てる空が同じならきっと

ネジを巻いて 動き出す 時計の針が追う明日を 僕も 追いかける
風の向こうを 知りたくて旅に出る

大人になれない僕達はいつまでも
探してる なくした思い出の場所を

「なくしてしまったものは もう帰らないのだろうか」

2016/05/14 (Sat)
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