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[192796] むすんでひらいて

詩人:どるとる


朝日が 眩しくて目を細めて
見上げた空に 雨上がりの虹を見つけたよ

下ろし立ての スニーカーで駆け抜ける
白い息を切らして あの坂のてっぺんまで

競争だって 君をけしかけて
むすんでひらいて 手を打ったあの日

笑って 泣いて それで日は暮れて
気づけばもう こんな時間で

万華鏡 覗きこんで見えた 未来は
嘘じゃないんだってまだ駄々こねて

公園のブランコで 靴を飛ばしてる
変わらない ものなんかないんだって

あざ笑った 僕をたたき起こして
傷つく勇気くらいはまだあるんだから

その拳で 諦めそうな僕を殴れ
瞬いて消えた 星の名前は知らない

ジャングルジムによじ登って見上げた
星空 今でも忘れない 思い出のひとつだ

こうして 大人になった今もまだ
引き出しを開けては回想してるんだ

やがて大切なものは何も見えなくなって
それが大人になった証なら いらないな
「みんなが言う大人」には 悪いけどなりたかないんだ

笑って 泣いて それで日は暮れて
気づけばもう こんな時間で

万華鏡 覗きこんで見えた 未来は
嘘じゃないんだってまだ駄々こねて

幻でもいいからまた会えないかなって
手当たり次第目を凝らして探した

光は 尾を引いて落ちた 僕の瞳の中に吸い込まれてく

ふれられないけれど確かにここにある
目を閉じて広がる 夜空に探すよあの星を。

2016/10/25 (Tue)
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