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[192835] 奇跡

詩人:どるとる


泣きべそかいて 笑われて
赤く腫れた頬を指差して
そんなに泣くなと 慰められた

夜はただ ゆっくりと 過ぎていった
時間を 転がすように 運び届けるように

持ち運びできない 思いなのになあ
素知らぬふりで 懐にしまいこんで

そして

ありふれた 気持ちが 奇跡なんだと
気づいた瞬間の ときめきだけは
誰にも 渡せないと思った心から

だからこの思いは僕だけのものだ

これでいいはずだ何もかも全て
忘れたことも思い出すこともなく
吐き捨てるように 歌ってた

電車を逃したけど終電に間に合った
それも 違わず奇跡なら

ああ この思いは
泡のように
溶けてあとは 消えるだけ

ありふれた 気持ちが 奇跡なんだと
気づいた瞬間の ときめきだけは
誰にも 渡せないと思った心から

だからこの思いは僕だけのものだ

そんな 気持ちさえ揺らぐほどに
君は 僕をどうしてそれほどまでに愛してくれるんだろう。

2016/10/31 (Mon)
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