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[16094] マリオネットのナイフ

詩人:けむり

のぼるより速く沈んでいく螺旋階段をのぼりながら、
期待され続ける愛されたい愛されない子供は、
世の中を見下しながら、
ゆっくりと 乱れていく。

こっけいな覆面の下で困り果て、
青ざめながら笑っていました。
誰にも胸の中を知られたくなくて。
自分でさえ気づきたくないのだもの。
その、こっけいさ。

純粋培養のあやつり人形は褒められる要素がたっぷりです。
「元気なお子さんね」
「お行儀がいいわね」
「お母さん似かしら」
誇らしげな母さんに嬉しかった。
後でじゅうぶん褒めてもらえる気がして。
けれどもっともっと望まれるばかりで。

ああ もう今にも愛の枯渇に自我が崩れそうだね。
ナイフへの興味は世の中への嫉妬によるものだ。
けれどあこがれのナイフで切り裂きたいものはいったい?
誰かが誰かを愛するように、
自分が自分を愛せたらいいのに。

暗闇に巣くう魔物におびえているんだろ。
あやまちをおかしても安心して帰れる家がほしい。
今にも暴れ出しそうな魔物をなだめるだけで精一杯。
落ち込むゆとりさえ持てやしない。
けれど分かるだろ。
覚悟が道を切り開くということ。
糸を切り裂くナイフを胸にいだいているということ。
誇りに目覚めなければならないということ。

2005/03/21 (Mon)
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