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[144620] まるで注ぐような、

詩人:halcyon



あたしが死んで、
あんたが泣く夢をみた。
夢の中であんたったら
あんまり泣くんだもん。
ひねくれ者のあんたがさ。そりゃ、どうしようって
思うでしょ。



…だってさあ?
だって、本当に、
ぼろぼろ泣いてたから。
みーんな何もかも
絞り出すみたいに。


あたしはね。
あたしは。
あんたのおかげで、
悲しいとか苦しいとかからけっこう遠いところに
いれるんだ。
分かる?

だからあんたにも
そうでいてほしいの。




負の感情から

そう、
できるだけ遠くに。


あたしの隣で、
そうやって子供みたいな、ちょっとばかみたいな寝顔してていいから。









「ねえ」


「ぐー…」


「ねえ、聞いて」


「…ん」


「ねえって」


「…なんだよ、
おれ眠いんだけど」


「…あたしより先に死ね」


「はぁ!?何だよそれ?
…って何で泣いてんの!」


「あたしより、
先に死ぬって約束して」


「おまえは本当に
訳わかんねえな、まじで」


「約束!」


「あー…もう、はいはい。約束しますよー」


「…絶対だからな」


「分かった分かった、
でもなんでよ?」


「あんた、あたしが先に
死んだら泣くでしょ。
あたしぜーったい、
そんなの見たくないから」


「…そっか」


「うん」


「…」


「………あたしね」


「ん?」


「あんたがいてよかった」


「…だろ」

2009/06/12 (Fri)
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