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[15881] 夜が夕焼けを包むほんの少しの間

詩人:チェシャ猫

すっかり見慣れたあの日の帰り道に
今一つずつ街灯がともって
気付けばまた頬を伝う涙にも
夕焼けの色が映ってる

君と会うのも久しぶりだね
微笑って僕を見つめるその瞳には
あのころの二人が並んで揺れている

だからほら
夜が夕焼けを包むほんの少しの間
あの日の君と手をつないで歩いて
見上げた空にはきっと
君色の星が泣いている


小指の糸が切れたあの日から
気持ちだけ置き去りにして
たくさんの季節を追い越してきたけれど
ずっと止まっていた時計は
今やっと動き始めたみたいだ・・・。。

だから今
花火が君の横顔を照らし出すほんの少しの間
気付かれないようにそっと
あの日途切れた小指の糸結びなおして
無邪気に微笑む君のこと
ただただ見ていたいって思うんだ・・・。。


ずっと消えない線香花火なんてないけれど
それでも僕たちは
差し出す右手を花火にかざす
夜風に吹かれて消えないようにと


照らし出された横顔
夜に隠れてしまわないようにと・・・。。

2004/08/10 (Tue)
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