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剛田奇作の部屋  〜 「塔」への投 票 〜

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詩人:剛田奇作

夢を見た

一面、漆黒の闇だった

一寸先すら見えない

私は誰かの手を引いている


強く握りしめている

握りしめたまま

必死に走っている


ふと顔を上げる

目の前には巨大な白い塔がそびえ立っていた


不気味な白さで

息が詰まるような闇の中
恐ろしいほどの存在感

そそり立つ 存在感


私たちを呼んでいるように


恐ろしかった


行きたくない


あそこへは


きっと
二度と帰れなくなる


そうだ 帰りたい


もう 帰りたい


私のあるべき場所に


帰りたい







2009/10/12 (Mon)
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