詩人:もとり
傷付く事を恐れて
逃げ口上ばかり用意している
予防線を幾重にも張り巡らせ
自分への説得材料すら用意している
そう これは私のせいだから
そういうつもりじゃ無かったから
別にそういう間柄じゃないし
でも だって
だから咄嗟の出来事や
予期せぬ衝撃には
直接心を抉られる
次の対策を講じるならば
諦める と言う選択肢
選んだ物を間違えた
もう望まないよ要らないよ
じゃあもう無理だよね
だから もう
歳をとるにつれて
傷も経験も増えてきた
だからもう純粋な気持ちにはなれないし
手放しで信用する事も難しい
安心させてとは言わないから
何度も言い聞かせて と願う
私だけを愛して とは言わないから
私だけを愛してる様に見せて と望む
嘘は知らなければ本当になる
ならばせめて傷付かない嘘を
汚れた現実は
優しい嘘で覆い隠して