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詩人:はるか


少しだけ歳をとった
父が ある日
懐から取り出した

覗き込んでみれば
それは 若き日の
母の笑顔



照れ臭そうに
薄くなった額に
手をあて 笑う

結婚記念日も
誕生日すらも
覚えてなくて

ありがとうなんて
口が裂けても
言わないくせに

そんな父の
妙に可愛いらしい姿




深く長い時を経て
尚も 色褪せぬ
若き日の想い


互いが持つ
半分ずつの糸を
固く結び


離れぬようにと
離さぬようにと


十年後も
五十年後も


変わらず君を愛す

変わらずに

君を 愛す

2006/11/20 (Mon)
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