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[93494] 時々、こんな夜

詩人:はるか



夜があまりに綺麗なものだから
靴を片手に飛び出した

突き刺すような
冷たさも
体のほてりでびくとも
しない

世界が全て
あたしだけのものに
なった気がした

世の中が
こんなに泣きたいもので溢れているなんて
想像すらしなかった頃は

取り巻く全てが輝いて
あたしは真綿に包まれて夢を数えた



幸せなんて
今も分からない

心をなぞって輪郭を確かめながら
夜空に手を伸ばす

月明りに
手の甲が
青白くにじんだ




2007/01/13 (Sat)
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