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[77637] 指輪

詩人:禪稀

彼は
二人にとって大切な約束の日に彼女の前から消えていった―

彼女は彼をずっと待っている

やさしい彼があの約束の場所にくるのを−

『どうしてあの人は来てくれないの…? 絶対来るといったのに―』

ある日 彼女は静かにつぶやいた

ここは彼女と彼が見つけた秘密の約束の場所

彼女は今でも彼が来るのを待っている

でも…

彼女はあの日に死んでいた

心浮かれた彼女の魂

それは約束のこの場所にずっと縛られたままだった

もぅ 彼らは互いを見ることができない

だから 彼女は

彼があの日に渡すはずだった小さなダイヤの指輪を
泣きながら埋めていったことを

そして 彼には

彼女がここで泪を流しながらまっていることを

  “知らない―”

悲しい別れをしてしまった二人

この二人がまた出会え
今度こそ我の根元に埋めた指輪を渡し合えることを

   “我は祈る…”

2006/06/13 (Tue)
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