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[189654] 親心

詩人:キンタ

さぁ自転車の練習だ
父親は微笑んで言う
手を離さないと約束した太い指
僕の背を押してくれた大きな手
側に居てくれる安心感
先なんか怖く無かった
振り替えれば遠く
嬉しそうな父の声が
約束がどうとかでは無い
それも愛の形だったんだ
慌て転んだ僕を優しく包んでくれた腕や
諦めそうな時は強い眼差しで勇気をくれた
転んだ分傷付き
転んだ分築く
その痛みもきっと父の愛だったんだ
疲れた僕をおぶって帰る広い背には
父の寂しさを感じた
きっと一緒に遊べるのは僅かだと悟っていたんだろう
一人で乗れるようになった自転車が
父との距離を離してしまうにしても
きっとその成長が嬉しかったんだと思う
父の存在が今の僕で
僕の全てが父の愛だったんだろう

2015/10/29 (Thu)
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