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[12719] 指定券

詩人:旅人の歌

もう、これまでねと君はうつむいて左の頬だけでひっそり笑った
北口改札を子ジカのように鮮やかにすり抜けて出ていった
せめてもの別れに一度だけ振り向いてくれたのに、ちょうど今着いた修学旅行の制服たちが君をかき消して最後の声さえ食べてしまう。

長いエスカレータ上って下りてやっとの思いで出した答え
始める前から終る旅もある。やはり野におけれんげ草
せめてものはなむけに一度だけ手を振ってみせた 後ろ姿をつつむ紙吹雪 それは僕のふるさとゆきの
季節はずれの指定券

2004/05/24 (Mon)
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